苫小牧トーチカ [トーチカ]
苫小牧市東部の、広大な工業エリア内
道路脇の茂みの中に、一歩足を踏み入れると
大地に深く刻まれた塹壕(ざんごう)がたくさん残っています。
塹壕のひとつを辿ってみると、森の中にコンクリートの工作物が見えて来ました。
これは、旧日本陸軍が築いたトーチカです。
このトーチカは、苫小牧市内に現存する4ヶ所のトーチカの中で最大級です。
二段になっているように見えますが、向かって左側が
「一式機動47ミリ速射砲』を配置した砲塔部で、向かって右側が
弾薬庫及び監視・観測所です。
上部には、トーチカ内部への換気筒も、折れずに残っています。
前側に回ってみると、速射砲用の砲口部が見えます。
周りの地形と景色にうまく溶け込んでいるトーチカ
遠くからでは、見つけるのは困難です。
本物の軍人が造った本物のトーチカ、威圧感がありますよ。
トーチカの後ろ側に回ってみます。
トーチカを形成するコンクリートに、いろんなものが混ざっているのが確認できます。
戦争末期の物資不足の日本の状況を感じ取れます。
このトーチカは、保存状態も良く内部にも容易に入れるため、
小学校の社会科見学等にも使われています。
戦争のために造られた施設ですが、今では平和について考える良い機会に
利用されています。
このトーチカを造った兵隊さん達の苦労も報われましたね。
苫小牧元町トーチカ (北海道苫小牧市) [トーチカ]
苫小牧市役所から西方面へ、車で7~8分程行った海岸沿いに、
小さめのトーチカが現存しています。
場所はコチラ↓
苫小牧市内に現存するトーチカの中で、一番見つけ易く、一番行き易いトーチカです。
海が近く潮風に常にさらされているため、表面のコンクリートはボロボロです。
道路に面した側の雑草をかき分けると、僅かに銃眼が見られます。
このトーチカは、「九二式重機関銃」用のトーチカだそうです。
確かに、苫小牧東部にある速射砲用のトーチカと比べると小さいですね。
苫小牧市内に現存する4つのトーチカの中で、唯一中に入るコトが出来ません。
分厚い鋼板で完全に塞がれています。 まったくびくともしませんでしたよ。
苫小牧市内の海岸線には、かってたくさんのトーチカが築かれていたそうですが、
今では、この元町のトーチカしか現存していないらしいです。
現在、トーチカやトーチカ跡を捜索中ですが、やっぱり残ってないかもしれませんね~
苫小牧トーチカ (北海道苫小牧市) [トーチカ]
広大な工業エリアの原野の中に、それは残っていました。
あの戦争が終わって67年
薄れていく記憶や記録とは裏腹に
今も残る、無数の塹壕(ざんごう)の跡
小高い丘に登り目を凝らせば
幅の広い対戦車壕(せんしゃごう)も見られます。
塹壕のひとつを辿って行くと・・・
斜面と斜面との間に
ぽっかりと、穴が開いていました。
これが、トーチカです。
長い風雨にさらされて、外のコンクリートはボロボロになっていますが、
内部の保存状態は良好です。
このトーチカは「一式機動47粍速射砲」用で、旭川の「第77師団工兵第77連隊」が
アメリカ軍の北海道上陸に備えて築きました。
結果的に、北海道へのアメリカ軍上陸は行われず、実際に戦闘で使われることは
ありませんでした。流されたのは汗だけで、血が流されなかったのは幸いですね。
トーチカの上部には、通気口も残っています。
トーチカが睨むのは太平洋。
対戦車壕付近が、速射砲の着弾点でしょうか。
現在、苫小牧市にはトーチカが最低四ヶ所現存しています。
全て取材済みですので、徐々に記事にします。
詳細な場所は公開しませんが、このトーチカは、黄色で囲まれた枠の範囲内にあります。
貴重な戦争遺産を後生に残すためにも、行かれる方はトーチカや塹壕を
現状のままにしてくださいね。